「若手がすぐ辞める」は、本当に悪いことなのか
- 5月6日
- 読了時間: 3分
最近、
「若手がすぐ辞める」という話を、
よく耳にします。
数ヶ月。
あるいは一年以内。
せっかく採用したのに。
時間をかけて教えたのに。
会社側からすると、
やはり簡単には割り切れません。
一方で、
働く側の感覚も、少し変わってきています。
昔は、
「まずは3年」という言葉が、
半ば常識のように存在していました。
合わなくても続ける。
我慢しながら慣れていく。
そういう考え方には、
たしかに意味もあったのだと思います。
実際、
最初は違和感があっても、
働いていく中で、
その会社の良さが見えてくることもあります。
仕事内容よりも、
人間関係が合っていた。
派手さはないけれど、
安心して働ける会社だった。
そういうことは、
実際によくあります。
だから、
「すぐ辞めること」が、
いつも正しいとも限りません。
ただ同時に、
「長くいること」が、
そのまま正しいとも言い切れなくなっています。
今は、働き方も、価値観も、
以前よりずっと多様になりました。
転職そのものが、
特別なことではなくなっています。
いろいろな会社を経験しながら、
自分に合う場所を探していく。
そういう時代になったとも言えます。
ある意味では、
以前よりも、自分の適性を探しやすい時代です。
これは、
悪いことばかりではありません。
ただ、その変化の中で、
象徴的に語られるものがあります。
退職代行です。
少し前までは、
かなり特殊なサービスに見えていました。
でも今は、
そこまで珍しい存在ではなくなりました。
もちろん、
本当に強いストレスの中で、
自分では辞めると言い出せなかった人もいると思います。
その意味では、
必要とされる場面も、
実際にあるのでしょう。
ただ一方で、
法律上、退職は本来それほど難しいものではありません。
期間の定めのない雇用契約であれば、
原則として、
退職の意思表示から2週間で終了します。
極端に言えば、
メール一本でも成立はします。
それでも退職代行が広がるのは、
「辞められない」のではなく、
「辞めると言えない」空気が強くなっているからかもしれません。
ここには、
今の働き方の特徴が出ています。
人間関係を壊したくない。
気まずくなりたくない。
直接言う負担を避けたい。
そういう感覚が、
以前より強くなっている。
逆に言えば、
会社側も、
「辞めるまで気づけなかった」ということが増えています。
昔のように、
多少合わなくても我慢して残る、
という前提が弱くなったからです。
だからこそ、
これからの会社には、
別の視点が必要になるのかもしれません。
長く働かせることではなく、
「この会社は自分に合う」と感じてもらえること。
条件だけではなく、
働き方。
考え方。
人との距離感。
そういうものも含めて、
会社を選ぶ時代になっています。
定着率だけを見れば、
短期間で辞めることは、
マイナスに見えるかもしれません。
でも実際には、
合わない場所で無理を続けることが、
必ずしも幸せとは限りません。
逆に、
合う場所に出会えた人は、
驚くほど自然に長く続くこともあります。
「辞めないこと」が目的なのか。
それとも、
「合う場所で働けること」が目的なのか。
これからは、
その前提自体が、
少しずつ変わっていくのかもしれません。
