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コラム

身近な労務に関すること

問題社員を解雇する前に、確認しておきたいこと

  • 4月3日
  • 読了時間: 3分

問題社員の対応は、

「どうするか」を決める前に、

「どう判断するか」で迷うことが多いものです。


遅刻が少し増えた。

指示への反応が鈍い。

周囲との関係に、わずかな引っかかりがある。


その段階では、

まだ「問題」と呼ぶには、少し早いようにも見えます。


だからこそ、

「もう少し様子を見よう」

という判断が選ばれます。


それは自然なことです。

多くの場合、その判断自体が間違いというわけではありません。


ただ、

その“様子を見る時間”の中で、

状況は少しずつ変わっていきます。


同じことが繰り返される。

周囲の不満が、言葉になりはじめる。

小さな違和感が、はっきりとした問題に変わっていく。


そして気づいたときには、

個人の問題ではなく、

組織全体の問題になっていることもあります。


そこで初めて、

「解雇」という選択肢が現実味を帯びてきます。


ただ、このときの解雇は、

すでに“遅れている判断”であることが少なくありません。


なぜなら、

その間に積み重なった経緯や対応が、

整理されていないことが多いからです。


・どの時点で何を指摘したのか

・改善の機会はどのように与えたのか

・会社としてどのような基準で判断したのか


それらが曖昧なままでは、

解雇という判断だけが、

浮いてしまいます。


解雇という判断は、

それまでの経緯や対応が整理されていなければ、

会社にとってもリスクのあるものになります。


手続きや判断の積み重ねが曖昧なままでは、

その正当性を説明することが難しくなるからです。


結果として、

本来は避けられたはずのトラブルに発展することもあります。


問題社員への対応で大切なのは、

「厳しくするか」

「様子を見るか」ではなく、


その間にある、

判断の積み重ねです。


どの段階で何を見て、

どのように整理し、

どのように伝えていくか。


その一つひとつが整っていれば、

最終的にどの選択をしても、

判断としての筋が通ります。


逆に、その整理がないまま進んでしまうと、

どの選択も難しくなります。


問題は、

突然大きくなるわけではありません。


多くの場合、小さな違和感の段階から、

すでに始まっています。


だからこそ、

早い段階で「どう判断するか」を整えておくことが、

結果的にいちばん負担の少ない対応につながります。


人事の問題は、対応ではなく、判断から始まります。


もし、

「どうするべきか」ではなく

「どう判断するべきか」で迷う場面があれば、

一度立ち止まって整理してみることも大切かもしれません。

 
 
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