人事担当者がいない会社ほど、労務の判断が重くなる理由
- 2月15日
- 読了時間: 3分
更新日:5 日前
30人を超えたあたりから、会社の空気は少しずつ変わっていきます。
創業期のように「みんながだいたい分かっている」状態ではなくなり、ルールや説明が必要な場面が増えてきます。
けれどその一方で、まだ専任の人事担当者はいない。
総務が兼務している。経理が労務も見ている。あるいは社長自身が最終判断をしている。
この状態は、決して珍しくありません。
むしろ、30〜50人規模の会社では、ごく自然な姿です。
判断の責任が、ひとりに集まりやすい
人事担当者がいない会社では、労務の判断が“業務の一部”として扱われがちです。
入退社の手続き
有給管理
残業の確認
問題社員への注意
どれも日常業務の延長に見えます。
けれど実際は、ひとつひとつが「経営判断」に近い重みを持っています。
その重みを、ひとりで背負っているケースが少なくありません。
「これでいいのか」と思っても、相談先がない
専任の人事がいない会社では、
前例がない
相談できる同僚がいない
社長に聞くほどでもない気がする
という状況がよくあります。
するとどうなるか。
「まあ、今まで大きな問題はなかったし」という感覚で、判断が積み重なっていきます。
もちろん、それでうまく回る会社もあります。
ただ、会社が少しずつ大きくなるにつれて、“なんとなくの判断”が通用しにくくなる瞬間が訪れます。
小さな違和感は、あとから大きくなる
たとえば、
特定の社員だけ残業が多い
注意はしているが記録が曖昧
口約束で進めている条件変更
どれも、すぐに問題になるわけではありません。
でも、社員数が増え、関係性が薄くなったとき、突然「説明」が必要になります。
そのときになって初めて、
「もう少し整理しておけばよかった」と感じるケースは、実務でも少なくありません。
外部社労士の役割は「代わりに決めること」ではない
人事担当者がいない会社ほど、
「社労士に任せれば安心ですよね?」
と聞かれることがあります。
けれど、社労士は判断を肩代わりする存在ではありません。
代わりにできるのは、
今の状況の整理
リスクの見える化
選択肢の提示
です。
ひとりで考えているときよりも、一度言葉にして整理するだけで、判断はずっと軽くなります。
30人を超えたら、労務は“感覚”だけでは難しくなる
創業期は、信頼関係がすべてだったかもしれません。
けれど、社員が増えるということは、「説明が必要な相手が増える」ということでもあります。
説明できる状態をつくること。
それが、30人を超えた会社がそろそろ考えたい労務のテーマかもしれません。
まとめ
人事担当者がいない会社は、決して未熟な会社ではありません。
むしろ、これから伸びていく途中の会社です。
ただ、その分だけ、判断の重さが誰か一人に集中しやすい。
「これでいいのかな」と思ったとき、それは体制を整えるタイミングかもしれません。
労務は、問題が起きてから考えるものではなく、少し違和感を覚えたときに整理しておくもの。
その“整理の相手”として、外部の社労士という選択肢もある。
そんな距離感で、お役に立てればと思っています。
