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コラム

身近な労務に関すること

会社の休みは、これからどこまで増えるのか。

9月25日
読了時間: 4分

夏休みは何日ありますか。


年末年始は何日休めますか。


年間休日は何日ですか。


採用の場面でも、こうした「休み」を気にする人は少なくありません。


少し前まで、会社の待遇というと、まず給料だったように思います。給料はいくらか。賞与はあるか。昇給はあるか。


もちろん、今でも給料が重要なことに変わりはありません。


ただ最近では、給料が下がっても、週4日勤務など、自分の時間を重視した働き方を選ぶ人もいるようです。


そう考えると、これからの「待遇」は、お金だけでは測れなくなっていくのかもしれません。


実際に、会社の休みは増えている

厚生労働省の「就労条件総合調査」を見ると、日本企業の休みは実際に増えています。


2025年の調査では、2024年の1企業平均の年間休日総数は112.4日、労働者1人平均では116.6日でした。いずれも1985年以降で最も多くなっています。


年次有給休暇についても、労働者1人あたりの平均取得日数は12.1日、取得率は66.9%。こちらも過去最高です。


1996年には102.1日だった1企業平均の年間休日は、2024年には112.4日になっています。約30年間で10日以上増えたことになります。


【グラフ:年間休日総数の推移】



出典:厚生労働省「就労条件総合調査」


かつては「有給休暇はあるけれど、なかなか使えない」という会社も珍しくありませんでした。


それが少しずつ変わり、年間を通して「働かない時間」は増えています。


これは一時的な変化なのでしょうか。


それとも、これからも休みは増えていくのでしょうか。


「時間」も待遇の一つではないか

例えば、給料は高いけれど毎日遅くまで働く会社と、給料は少し低いけれど残業がほとんどなく、休みも多い会社があったとします。


どちらを選ぶかは、人によって違うでしょう。


収入を優先する人もいれば、子育てや介護、趣味や勉強など、自分の時間を優先する人もいます。


年間休日が20日増えれば、自分のために使える時間が20日増えます。1日の労働時間が1時間短くなれば、年間ではかなりの時間になります。


給与明細には書かれていませんが、


「自分の時間」も、会社から受け取る待遇の一つなのではないでしょうか。


そう考えると、「待遇のいい会社」の意味も少し変わってきます。


ただ、休みが増えればそれでいいのか

一方で、気になることもあります。


年間休日が増え、有給休暇の取得率も上がり、労働時間も長期的には減少してきました。


それでも、職場のメンタルヘルスの問題がなくなったわけではありません。


厚生労働省の調査でも、メンタルヘルス不調によって連続1か月以上休業した労働者の割合は、近年増加傾向にあります。


もちろん、これだけで原因を労働環境に求めることはできません。メンタルヘルスへの認知が広がり、以前より相談や受診がしやすくなったことなど、さまざまな要因が考えられます。


ただ、休みの日数だけで働きやすさのすべてを説明することはできなさそうです。


同じ8時間でも、余裕を持って働く8時間と、常に時間に追われる8時間では違います。


仕事量、人間関係、裁量、そして自分の仕事が誰かの役に立っている、会社に貢献しているという感覚。


働く時間の「量」だけではなく、**働いている時間の「質」**も重要なのでしょう。


AIは、私たちの「時間」を増やすのか

そして、これからはAIやさまざまなデジタルツールによって、仕事に必要な時間そのものが変わっていく可能性があります。


これまで1時間かかっていた仕事が30分で終わる。半日かけていた作業が1時間で終わる。人が行っていた確認作業の一部をシステムが処理する。


そうなったとき、会社には一つの選択が生まれます。


5日かかっていた仕事を4日でできるようになったら、空いた1日でもっと仕事をするのか。


それとも、その1日を働かない時間にするのか。


どちらも生産性が上がった結果です。


これまで生産性向上というと、「同じ時間で、より多くの仕事をすること」と考えがちでした。


しかし、


「同じ価値を、より短い時間で生み出すこと」も、生産性向上です。


AIやツールによって生まれた余白を、売上や利益だけではなく、働く人の時間に還元する会社が出てきても不思議ではありません。


これからの「高待遇」とは

人手不足が続けば、働く人から選ばれる条件も変わっていくでしょう。


給料はいくらか。それだけではなく、年間休日は何日あるか、残業はどれくらいか、柔軟な働き方ができるか、自分の時間を持てるか。


休みを増やすことは、単なる福利厚生ではなく、採用や定着にも関わる経営の問題になっていきます。


もちろん、休みだけ増やして売上や利益が減ってしまえば長くは続きません。


給料を維持し、あるいは上げながら、働く時間を短くする。


そのためには、短い時間でもきちんと価値を生み出せる会社にしていく必要があります。


そして、AIやツールによって生産性が上がったとき、その成果をすべて「もっと仕事をすること」に使う必要もありません。


利益にすることもできる。給料にすることもできる。そして、時間にすることもできる。


これからの高待遇とは、「高い給料」だけではなく、「自分の時間を持てること」まで含めたものになっていくのかもしれません。

 
 
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