“働きやすい会社”だけでは、人は残らなくなった
- 5月19日
- 読了時間: 3分
最近は、
「働きやすい会社」という言葉を、
よく聞くようになりました。
休日。
福利厚生。
リモートワーク。
フレックス。
少し前までなら、
それだけで「良い会社」と言われていたものが、
今はかなり整ってきています。
実際、
働く環境は、
昔よりずっと良くなっている部分もあると思います。
それでも、
人が定着するとは限らない。
ここに、
今の会社が抱えている難しさがあります。
休みは多い。
残業も少ない。
人間関係も悪くない。
それなのに、
なぜか人が辞めていく。
逆に、
決して楽ではないのに、
人が長く残る会社もあります。
この違いは、
どこにあるのでしょうか。
少し前までは、
「働きやすさ」は、
かなり分かりやすいものでした。
給料。
休日。
労働時間。
条件を整えれば、
人は定着する。
ある意味では、
そういう時代だったのだと思います。
でも今は、
少し事情が変わってきています。
働き方が多様になり、
転職も珍しくなくなりました。
SNSを見れば、
いろいろな働き方が流れてきます。
もっと自由な会社。
もっと楽しそうな仕事。
もっと自分らしく働けそうな場所。
そういう情報が、
常に目に入ってくる。
その中で、
人は単に「楽かどうか」だけでは、
会社を選ばなくなっています。
ここで最近よく聞くのが、
「人的資本経営」や「ウェルビーイング」という言葉です。
少し前までなら、
こういう言葉は、
どこか理想論のようにも聞こえました。
でも今は、
経営そのものの話として語られるようになっています。
それは結局、
「人が続かない」という現実があるからだと思います。
人が採れない。
育たない。
定着しない。
そうなると、
会社は初めて、
「人そのもの」が経営資源なのだと、
本気で考え始めます。
ただここで、
少し誤解されやすい部分があります。
ウェルビーイングというと、
どうしても、
「優しい会社」
「快適な会社」
のように聞こえることがあります。
もちろん、
働きやすさは大切です。
でも実際には、
それだけでは、人は残りません。
人は、
単に楽だから働き続けるわけではないからです。
自分の役割がある。
必要とされている感覚がある。
成長している実感がある。
そういうものがあると、
人は意外と頑張れたりします。
逆に、
どれだけ条件が良くても、
自分の意味が感じられない場所は、
少しずつ苦しくなっていくことがあります。
つまり、
これからの「働きやすさ」は、
単なる快適さだけでは足りないのかもしれません。
条件だけではなく、
納得感。
ただ優しいだけではなく、
自然に役割を感じられること。
そこまで含めて、
ようやく「働きやすさ」になる。
そんな時代に、
少しずつ変わってきている気がします。
もちろん、
正解は一つではありません。
人によって、
合う働き方は違います。
自由な方が力を出せる人もいれば、
ある程度ルールがある方が安心できる人もいる。
だから結局、
大切なのは、
「働きやすい会社か」ではなく、
「その人に合っている会社か」
なのかもしれません。
人的資本経営という言葉の本質も、
単に人を大切にすることではなく、
その人が、
無理なく、納得感を持って、
長く力を発揮できる状態を、
どう作るか。
そこにあるのだと思います。
“働きやすい会社”だけでは、
人は残らなくなった。
でも逆に言えば、
人が自然に残る会社には、
条件だけでは説明できない何かが、
ちゃんとあるのかもしれません。
